尾崎正覚
瓦礫四(2006年) 寒戻る鼬の走る夜の公園 戻り見る舗道の隙の白菫 水鳥の上を燕ら飛び交えり 猫歩む人途絶えたる花の路 花散らす雨中を燕飛び交える 池中の杭に生えたる草伸びる 満月の映る水田蛙(かわず)鳴く 老農が田植機停めて膝摩る すずめ蛾を空中に追い甚振(いたぶ)れり 椋鳥(むく)の雛屍(かばね)の親の傍らに 笑いつつ幼な棺に向日葵置く 鳩狙う刈田に猫の忍び足 秋日和鳶が鴉を追回す 老い独りひねもす眺む秋の道 晩秋の池辺に戯れる野良子猫
寒戻る鼬の走る夜の公園
戻り見る舗道の隙の白菫
水鳥の上を燕ら飛び交えり
猫歩む人途絶えたる花の路
花散らす雨中を燕飛び交える
池中の杭に生えたる草伸びる
満月の映る水田蛙(かわず)鳴く
老農が田植機停めて膝摩る
すずめ蛾を空中に追い甚振(いたぶ)れり
椋鳥(むく)の雛屍(かばね)の親の傍らに
笑いつつ幼な棺に向日葵置く
鳩狙う刈田に猫の忍び足
秋日和鳶が鴉を追回す
老い独りひねもす眺む秋の道
晩秋の池辺に戯れる野良子猫
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