尾崎正覚
瓦礫六(2008年) 往きに見し鷺時雨降る帰りにも 水仙の蕾枯葉の堆積(やま)の隙 梅咲けり勤めに向かう吹雪く途 寒風に刈田を猫の匍匐せり 枯草に野良猫(ねこ)集まりて塊りに 廃屋の庭に梅咲き野良猫(ねこ)眠る 寄り道の畦に草摘み初雲雀 寒風に空飛ぶ鴉餌を銜え 揚雲雀田を小走りす雲雀あり 抱かれて赤子は眠る花の道 楠若葉巣立ち稽古す鴉の子 蝶とまる小さき草に車道際 泉水に糸蜻蛉(トウスミ)番い老父病む 鶺鴒の一羽他の屍(し)の傍(かたわら)に 父逝きて青天高く雲の峰 カラス二羽白鷺威嚇(おど)す青田なか
往きに見し鷺時雨降る帰りにも
水仙の蕾枯葉の堆積(やま)の隙
梅咲けり勤めに向かう吹雪く途
寒風に刈田を猫の匍匐せり
枯草に野良猫(ねこ)集まりて塊りに
廃屋の庭に梅咲き野良猫(ねこ)眠る
寄り道の畦に草摘み初雲雀
寒風に空飛ぶ鴉餌を銜え
揚雲雀田を小走りす雲雀あり
抱かれて赤子は眠る花の道
楠若葉巣立ち稽古す鴉の子
蝶とまる小さき草に車道際
泉水に糸蜻蛉(トウスミ)番い老父病む
鶺鴒の一羽他の屍(し)の傍(かたわら)に
父逝きて青天高く雲の峰
カラス二羽白鷺威嚇(おど)す青田なか
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