尾崎正覚著
妙壽寺仏法参究会刊
A5版・43頁
定価500円(税込)
目次まえがき
先般上梓した拙著『(酒井得元老師提唱より聴き書)正伝の仏法(道元禅と只管打坐)』は、故酒井得元老師の仏法の真髄を後世に伝えたいという思いから、老師が説かれた相当専門的な内容まで忠実に記載したので、一般の読者には少々難解であったかも知れない。
加えて、各種試験等における受験対策本同様、拙著一冊で「坐禅と仏法(禅)全体の理解はオーケー」というようなものにできたらという欲張った意図もあったので、かなり内容的に盛り沢山になった嫌いがあった。
そこで、本書は、改めて「仏法と坐禅の簡潔な入門書」としての意図で、必要最小限の内容の記述にとどめた。それが成功しているかどうかは、読者の意見を待たなければならないが、仏法や坐禅自体の内容については、寧ろこの小冊子の方が前著より表現上意を用いた積りであり、内容の削減も最小限にとどめた。
願わくは、一人でも多くの人が、この小冊子によって、我々が「生きている」ということ、つまり「自我意識」と「からだ」と「大自然」の関係にはっきりと目を向け、更に「仏法」や「坐禅」というものに目を開いて頂ければ、如何なる困難な時代に生きようとも、現実を全部そのまま素直に受け入れて、日常を大切に生きていくことができるのではないかと考えている。
なお、本書を読まれて、より詳細に仏法を学びたいと思われる方は、上記拙著『(酒井得元老師提唱より聴き書)正伝の仏法(道元禅と只管打坐)』をご高覧頂ければ幸甚である。
目次
「我(自我意識)」とからだ
からだと宇宙・大自然
(1)ただ生きている
(2)「尽十方界(真実)」「心」、「尽十方界真実人体」「仏」
(3)精神上の「迷」「さとり」と真の「悟」
(4)「解脱」「脱落」「三昧」
釈尊の成道(悟)
仏法とは何か
(1)仏法は思想ではないし定義もできない
(2)「何」「誰」等の疑問詞は仏法の真実を表現
(3)仏法の特徴
(4)仏
禅とは何か
(1)禅と仏法は同じである
(2)禅・禅宗誕生の意義
(3)「小乗仏教」と「大乗仏教」の相違
坐禅
(1)坐禅に関する典拠(道元禅)
(2)坐禅儀
(3)禅の偏向(看話禅)
(4)黙照禅と看話禅の相違
(5)「戒」「発菩提心」と坐禅
仏道修行と現成公案の信仰